次世代足場って何?従来の足場との違いやメリット・デメリットをわかりやすく解説!  

皆さんこんにちは。

長野県上田市を拠点に、県内全域で足場工事や仮設工事などを手掛けている株式会社ANZENです。


足場は高所作業に必要不可欠な設備であり、強度や作業効率などを考慮し、適切なものを設置する必要があります。昔からいろいろな種類の足場が使われてきましたが、近年では「次世代足場」という新たなタイプの足場も登場し、現場に普及してきています。次世代足場は、今までの足場と何が違うのでしょうか?ここでは、次世代足場の特徴や従来の足場との違い、メリット・デメリットなどについて解説します。




■次世代足場って何?なぜ開発されたの?



次世代足場とは、現在主流となっている枠組足場・くさび緊結式足場・単管足場といった足場の規格などを、安全面・施工面・管理面から全面的に洗い直した「次世代規格の足場」の総称です。このような新しいタイプの足場が登場した背景には、建設現場を取り巻く環境の変化があります。


大きな変化の1つが作業員の身長です。枠組足場が導入された半世紀前に比べ、成人男性の平均身長は約10cmも伸びており、ヘルメットや安全靴などを身につければさらに10cm程度高くなります。その結果、従来型の足場を使っていると、多くの作業員が腰をかがめて作業しなければならなくなりました。


また、足場作業の安全基準も年々引き上げられています。2009年には労働安全衛生規則が改正され、足場からの墜落防止措置等に関するルールが厳しくなりました。さらに2015年にも改正され、より安全性の高い足場が求められるようになったのです。


この新しい基準に従来型の足場で対応しようとすると、新たな部材を追加しなければならない上に施工の手間も増え、コストアップや作業時間の増加は避けられません。そこで、規格を見直し新たなルールや環境に適応した足場として、次世代足場が登場したのです。


次世代足場は最新の環境を踏まえて開発されているため、追加の部材を取り付ける必要がなく、作業も快適に行うことができます。現在はまだそれほど普及していませんが、今後はシェアが拡大していくでしょう。




■次世代足場と従来の足場の違い


次世代足場の大きな特徴は、「先行手すり」が標準装備され、「手すり先行工法」を実施できるようになっていることです。手すり先行工法とは、足場の組立時において作業床に乗る前に先行して手すりを設置し、解体時にも作業床を取り外すまで手すりが残されている工法を指します。


言い方を変えると、下の段から上の段の手すりを取り付けることができ、作業床よりも先に手すりを設置できるわけです。常に手すりに囲まれた状態で作業できるため、墜落・転落の危険を大きく軽減できます。


また、従来に比べて「階高」が高くなっているのも特徴です。従来の足場は階高が170㎝程度しかなく、昔に比べて平均身長が伸びた現在では作業しにくくなっていました。その点、次世代足場の階高は180㎝~190㎝前後となっており、従来の足場に比べて足場内の空間が大きくなっています。


さらに、次世代足場は支柱材と手すり材で構成されていることから、従来の足場のように部材が足場内部に飛び出ていません。床も隙間がなく、従来型に比べて幅も広くなっています。他にも、緊結部の抜け防止処置や目視可能な抜け止め、軽量でコンパクト化されている部材など、さまざまな工夫が凝らされています。




■次世代足場のメリット・デメリット

次世代足場は、従来型の足場に比べて大きく進歩しており、さまざまなメリットがあります。一方、デメリットもなくはないため、よく理解した上で取り扱うことが大切です。主なメリットとデメリットを確認しておきましょう。




〇次世代足場のメリット



次世代足場には、主に以下のようなメリットがあります。



・先行手すりにより安全性が向上

次世代足場の最も重要なメリットは、従来型の足場に比べて安全性が非常に高いことです。従来の足場は、最上段には手すりがない状態で上がって作業をしなければならず、大きな危険を伴っていました。


しかし、次世代足場であれば手すり先行工法が基本なので、最上段も含め常に手すりに囲まれた状態で作業ができます。これにより、墜落・転落の危険性が大きく軽減され、とても安全に作業を進められるのです。厚生労働省でも手すり先行工法を推奨しており、普及のためのガイドラインを策定しています。


そもそも建設業における労働災害の内訳では、墜落・転落事故の割合が最も高く、全体の30%~40%程度を占めています。労働災害を防ぐ上で、墜落・転落しにくい足場の採用は必須事項といえるでしょう。次世代足場は、その要求を満たした足場なのです。



・床の隙間がなく安全に作業できる

安全性に関わるもう1つのメリットとしては、床の隙間がないことが挙げられます。足場の床については、以前から「床材間の隙間は3cm以下」「床材の幅は40cm以上」という規定が設けられています。2015年の労働安全衛生規則の改正では、さらに「床材と建地(支柱)との隙間は12cm未満」というルールが追加されました。


つまり、足場の床にほとんど隙間を作ってはいけなくなったのです。従来型の足場では、この新たなルールに対応するため、追加で安全部材を取り付けなければならないケースが少なくありません。


しかし、次世代足場は最初からこの規定に基づいて作られているため、追加部材なしでも隙間がほぼない床を作ることができます。結果として、墜落・つまずき・物の落下といった事故が発生しにくく、安全に作業できるのです。



・足場内の空間が広く作業効率が高い

作業のしやすさも次世代足場の大きなメリットです。次世代足場の階高は180㎝~190㎝前後なので、足場内の空間が従来型の足場よりも広く、身長170cm以上の人でも快適に作業ができます。結果として作業の効率がアップし、スムーズに工程を進められるでしょう。無理のある体勢で作業する必要がなくなるので、安全性の向上にもつながります。


なお、2024年4月からは、建設業における時間外労働の上限規制が罰則付きで設けられる予定です。従来のような長時間労働が難しくなるため、どの企業にも業務の効率化による労働時間削減が求められています。次世代足場の採用による作業効率の向上は、労働時間削減の大きな助けとなるでしょう。



・組み立て・解体がしやすく保管・運搬効率もいい

次世代足場は、従来の足場に比べて部材が軽量化・コンパクト化されています。部材の種類自体も少なくなっている他、組み立てや解体の手順も簡略化されているため、組み立て・解体しやすく作業効率がいいのが特徴です。


また、部材がコンパクトでかさばらない分、保管用のスペースやトラックによる運搬が少なくて済み、コストも抑えられます。さらに、組立時にあまり大きな音が出ないため、騒音対策の負担も軽減することができます。




〇次世代足場のデメリット



次世代足場のデメリットは、許容荷重(支えられる荷重)を確保するために補強材を必要とする場合がある点です。前述したように、次世代足場は部材が軽量化・コンパクト化されているという事情もあり、従来型の足場に比べて部材単体の許容荷重は小さくなっています。


そのため、状況によっては専用の補強材を用いて組み立てなければなりません。この場合は、当然ながら施工の手間がかかります。また、現時点では統一された規格が存在しないことから、メーカーごとに規格が異なり、互換性の問題が生じています。


とはいえ、これらのデメリットは「強いて挙げれば」という程度のものであり、メリットを打ち消すほどのものではありません。安全性や作業効率の面において、次世代足場が従来の足場より優れているのは間違いなく、今後は従来の足場から次世代足場への移行が進むと考えられます。



以上のように、次世代足場は多くのメリットを備えた足場です。今後、次世代足場への置き換わりが進めば、足場工事の安全性は大きく高まり、作業の効率化によって生産性もアップするでしょう。


なお、足場経験者の求職者には「今まで扱っていた足場でないと少し不安」という方もいらっしゃいますが、次世代足場はとても扱いやすい足場なので、使った経験がなくても心配いりません。実際に現場作業で扱えば、早い段階で慣れることが可能です。皆さんも、安全で作業しやすい次世代足場を採用している会社に就職してみませんか?


ANZENでは、現場作業員として一緒に働いていただける方を募集しております。弊社は働きやすい環境づくりに力を入れており、福利厚生や各種手当が充実している会社です。もちろん次世代足場も扱っており、安全な作業環境を整えています。


また、足場教育用模型を使用して組み方や作業の流れを詳細に教育するなど、研修制度も整備されています。経験者はもちろん、未経験者でも安心してスタートすることが可能です。足場工事に興味のある方は、お気軽にご連絡ください!