屋外で働く建設現場の職人必見! 熱中症の基礎知識や暑さ対策を解説

皆さんこんにちは。

長野県上田市を拠点に、県内全域で足場工事や仮設工事などを手がけている株式会社ANZENです。


暑い夏の時期に注意しなければならないものといえば、命を落とすこともある「熱中症」です。足場工事や仮設工事は屋外作業が中心なので、常に熱中症に注意する必要があります。労働災害を防ぐためにも、作業の際は十分な熱中症対策を行うことが大切です。ここでは熱中症の基礎知識や、作業中の熱中症対策について解説します。




■熱中症の基礎知識



熱中症とは、高温多湿の環境に長時間いた際、体内の水分や塩分のバランスが崩れたり、人体の調整機能が乱れたりすることで引き起こされる症状の総称です。私たちの体温は通常、37℃前後を保つようになっています。しかし、暑い環境では体温が上昇し、体は熱を逃そうと調節を試みます。そのために発汗して体内の熱を放出したり、皮膚から熱を放散したりするのです。


ところが、暑い場所で長時間過ごしたり運動をしたりすると、発汗によって体内の水分が失われ、血液の循環も低下します。その結果、体は熱をうまく放散できず、体温が上昇してしまいます。


さらに、水分や血液の不足によって、筋肉や脳、内臓に十分な血液が行きわたらず、さまざまな症状が現れるのです。熱中症の症状は、重症度に応じて1度~3度の3段階に分類されます。各段階の主な症状は以下の通りです。


1度:大量の発汗、めまい、立ちくらみ、失神、筋肉痛、こむら返り

2度:頭痛、不快感、倦怠感、虚脱感、吐き気、嘔吐

3度:意識障害、けいれん、手足の運動障害、高体温


では、熱中症は何が原因で引き起こされるのでしょうか? 最も大きいのは、環境的な要因です。気温が高い場所や日差しが強い場所では、熱中症になりやすくなります。また、湿度が高い日は汗が蒸発せず、体温の調節が困難になります。風が弱い日も、熱がこもりやすくなるので警戒しなければなりません。


特にリスクが高いのは、建設工事の現場などで長時間の屋外作業を行う場合です。また、頻繁に屋内と屋外を出入りする場合も、熱中症のリスクが高まります。なぜなら、体が急激な環境の変化に追いつけない可能性があるからです。その他、水分補給が不足している時や、激しい運動・慣れない運動をした時などにも、熱中症を発症しやすくなります。


また、新しい現場での作業初日から数日間は、環境に慣れていないため熱中症になりやすい傾向があります。そして時間帯別の傾向としては、昼前の11時頃と、最も気温が高くなる14時~16時頃が発症のピークです。こういった状況では、特に注意した方がいいでしょう。


もし熱中症の疑いがある場合は、できるだけ早く涼しい場所に移動し、衣服を脱いだり体を冷却したりといった応急処置を施す必要があります。意識がなくなるなどの深刻な症状が現れた場合には、救急搬送が必要です。自力で水分補給ができない場合や、水分や塩分を摂っても症状が改善しない場合にも、速やかに医療機関を受診しましょう。




■屋外作業における熱中症対策


屋外作業中は、常に暑さとの戦いになるため、熱中症対策は必須です。そこで、以下のような対策を取り、安全に作業できるようにしましょう。



・直射日光から身を守る

直射日光を浴び続けると、熱中症のリスクが大きく高まります。帽子を着用するのはもちろん、作業場所に日除けをつけるなどして、直射日光から身を守りましょう。



・WBGT値を確認する

WBGT値とは、人体と外気との熱収支(熱のやりとり)に着目した「暑さ指数」です。湿度、周囲の熱環境、気温の3つをもとに算出され、高いほど熱中症のリスクが高まります。特に28(厳重警戒)を超えるとリスクが著しく増加するので、専用の測定機を使ってWBGT値を確認し、必要に応じて作業の中止や休憩の判断を下すことが大切です。



・こまめに休憩を取る

炎天下で長時間作業を続けるのは非常に危険です。日陰になる休憩所を設け、こまめに休憩を取りましょう。



・体感温度を下げる

打ち水や扇風機によって体感温度を下げると、熱中症のリスクを軽減できます。ただし、日中に日の当たる場所で打ち水をすると、湿度が高まりかえって体感温度が上昇することもあるのでご注意ください。



・1人での作業を避ける

熱中症になってしまった時は、早期に対応できるかどうかが生死の分かれ目になります。周囲の人の異変にすぐ気づけるよう、1人での作業を避け複数人で作業にあたりましょう。



・水分と塩分を補給する

汗をかくと体内の水分と塩分が失われ、熱中症になりやすくなります。麦茶など、塩分や糖分が含まれない飲み物で水分補給を行い、塩飴などで塩分を補給するのがおすすめです。大量の汗をかいた後は、スポーツドリンクや経口補水液でもいいでしょう。



・通気性と吸湿性のいい服を着用する

通気性のいい服を着用すると、熱がこもらず快適に作業ができます。また、作業中は大量に汗をかきますから、吸湿性のいい服を着用することも大切です。



・暑さ対策グッズを活用する

屋外作業中は、暑さ対策グッズを使って身を守るのがおすすめです。詳しくは次の項目で解説します。




■便利な暑さ対策グッズを活用しましょう!



屋外作業中の熱中症対策として非常に有効なのが、暑さ対策グッズです。暑さ対策グッズを活用すれば、炎天下でも体温の上昇を抑え、熱中症のリスクを軽減することができます。弊社でも活用している、主な暑さ対策グッズをご紹介します。



・空調服

空調服は、文字通り空調機能を備えた作業着です。通気性のいいポリエステルや綿で作られており、脇腹のあたりにファン(小型扇風機)が付いていて、駆動させると服の中に外気を送り込んでくれます。


服の中に入った外気は服と体の間を流れて、汗を気化させます。その気化熱で体温が下がり、温まった空気は袖や襟から排出されるという仕組みです。見た目は登山用のパーカーやベストに近く、日光を防げる長袖タイプや、袖がないベストタイプなどがあります。


なお、バッテリーが付いているので「服が重くなるのでは?」と心配になるかもしれませんが、バッテリーはスマホより少し重い程度なので、作業の妨げにはなりません。1回の充電で約24時間駆動できる製品もあり、長時間の作業にも対応可能です。



・アイスベスト

アイスベストは、背中や脇のポケットに保冷剤を入れられるベストです。皮膚が薄い場所や太い血管が通っている場所に保冷剤を当てて血液を冷やすことで、全身の体温上昇を抑えてくれます。ただし、保冷剤が入った部分が直接肌に触れると低温火傷のリスクがあるため、インナーの上から着用するのがおすすめです。



・ヘルメットインナー

ヘルメットインナーは、ヘルメットの下にかぶるキャップです。頭から出る汗を吸収してヘルメット内が蒸れるのを防ぐとともに、髪の乱れも抑えてくれます。水泳帽のような形のものや耳まで覆うタイプ、つば付きタイプなどいろいろなバリエーションがあります。



・冷却スプレー

冷却スプレーは、衣類の上から吹き付けるだけで、体を瞬時に冷却してくれるスプレーです。持続時間は短いものの、常備しておけば問題ありません。首に巻き付ける「クールネックカバー」と併用すると、さらに冷却効果が高まります。



熱中症は、命に関わることもある重大なトラブルです。屋外作業の際は、作業環境の整備や十分な水分補給・塩分摂取、体調管理などの対策を取る必要があります。便利な暑さ対策グッズも積極的に活用して、快適で安全な作業を行いましょう。


ANZENでは、夏場は水分補給をこまめに行うのはもちろん、熱中症対策サプリ(スマッシュウォーター)の配布など、積極的に熱中症対策に取り組んでいます。


https://www.anzen-support.jp/blog/category3/143076


その他の安全対策も徹底しており、未経験者でも安心して働くことが可能です。現在、スタッフとして働いていただける方を募集しておりますので、安全な環境で技術を磨きたい方は、ぜひお気軽にご連絡ください。