皆さんこんにちは。長野県上田市を拠点に、県内全域で足場工事や仮設工事などを手掛けている株式会社ANZENです。
工務店や師匠のもとで腕を磨いてきた職人の方の中には、独立して一人親方になるか正社員になるか悩んでいる方も多いと思います。
正社員より自由度が高く、高収入を目指せる一人親方ですが、実際に始めるとなると気になるのはデメリットですよね。「社会保険がない一人親方は現場に入れない」という噂もあるなど、リスクがあるなら早めに知っておきたいと思うのは当然のことです。
そこでこの記事では、建設業の一人親方と正社員の違いから、それぞれのメリット・デメリットを解説していきます。
将来の働き方に悩んでいる職人の方は、ぜひ参考にしてください。
■一人親方とは?正社員の違いとは?
建設業でいう一人親方とは、会社に属したり労働者を雇ったりせず、自分のみまたは同居の家族だけで仕事を請け負っている人のことです。
会社に雇われている労働者と違い、個人で仕事を請け負って収入を得ているので、個人事業主の一つと考えられます。一人親方は元請けとなる企業から仕事をもらい、成果物に対して報酬を受け取る請負契約で成り立っています。
また、一人親方だからといって、自分の家族以外の労働者を雇うことができないわけではありません。従業員を雇用する日数が年間100日以内である場合は一人親方に数えられます。
一方正社員は、企業と労働契約を結ぶ労働者、つまりサラリーマンです。契約社員やアルバイトとの違いはいくつかありますが、最も大きい違いは契約期間の定めがないことでしょう。
正社員は会社の指示に従って仕事をするため、自由度は低いかもしれませんが、一定の給与が保証されたり社会保険に加入できたりと、メリットは多くあります。
■一人親方のメリット・デメリット
一人親方のメリット・デメリットについて詳しくみていきましょう。
特にこれから一人親方になろうという方は、デメリットをよくご覧ください。
・一人親方のメリット
環境・単価・仕事などの観点から、一人親方のメリットを4つお伝えします。
①働き方を自由に変えられる
一人親方の最も大きな魅力は、正社員よりも自由な働き方ができることです。仕事の進み具合に合わせて勤務時間を変えたり、休日を自分で決めたりして、プライベートを充実させることもできます。
しかし、病気やケガで仕事ができなくなったときは、収入が大幅ダウンしてしまうので注意が必要です。
②正社員より単価を上げられる
一人親方は、うまくいけば正社員より単価を上げられる可能性があります。なぜなら、一人親方は元請けと直接取引を行うので、単価の交渉を自分で行えるからです。
会社員のような役職制度に縛られない一人親方は、元請けから信用を得ることで仕事も増え、
単価を上げやすくなります。
③自分で仕事を選べる
請け負う仕事を自分で選べるのも、一人親方のメリットの一つです。
正社員であれば自分の判断で仕事を決めることはできませんし、指示された仕事を断ることもできません。仕事量も調節できないため、ときには激務となることもあります。
自分の裁量で仕事を受けるかどうか決められるのは、一人親方のやりがいです。
④上司や部下など対人関係に悩まない
上司からのパワハラや部下への教育など、従業員を長く雇用しない一人親方であれば、社内の人間関係に悩むことはありません。
特にこれまで上記のようなことで悩んだ経験がある方にとっては、大きなメリットと言えます。
・一人親方のデメリット
一人親方のデメリットは生活に直結するものです。
ここでは事前に知っておきたいデメリットを4つお伝えします。
①収入が安定しない
基本給がない一人親方は、繁忙期と閑散期で収入に差がでてしまい、なかなか安定しません。仕事の進捗状況によっては、予定していた日に収入が入らなかったり、継続していた仕事が急に打ち切られたりすることもあります。
さらに、事故やケガ、病気などで仕事ができなければ、収入はゼロです。状況の変化に対する収入の不安定さは、一人親方のデメリットと言えます。
②社会保険など福利厚生がない
労働者を雇用していない一人親方は個人事業主に含まれるため、厚生年金保険や雇用保険などは適用されません。雇用保険の対象外である以上、失業手当も受け取れないため、廃業したときのリスクが高くなります。
一人親方になると加入する国民健康保険や国民年金は、会社で加入する保険よりも保険料が高く、将来受け取れる受給額も低いことが特徴です。
ここで、建設現場でよく耳にする「社会保険がない一人親方は現場に入れない」という噂についてですが、これは国土交通省が策定した「社会保険の加入に関する下請指導ガイドライン」がもとになっています。このガイドラインには元請け企業に対して、社会保険に加入していない個人や企業は現場入場を認めない対応を求めているからです。
③融資が受けにくい
一般的に収入が不安定で基本給もない一人親方は、融資やローン、クレジットカードの審査に通りにくい傾向にあります。
収入や資産状況によっても変わりますが、会社員よりは融資やローンへのハードルが高いことは覚悟しておきましょう。
④大企業とは直接取引できない
大企業は、ある程度の事業規模がある会社に仕事を依頼することがほとんどです。
一人親方が大きな現場に入るのは、一次下請けや二次下請けの下請けという形のため、大企業と直接取引することは難しいでしょう。
■正社員のメリット・デメリット
会社に雇用されている正社員は、一人親方と比べてどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。
・正社員のメリット
正社員のメリットを3つ厳選してご紹介します。
①給与が保証される
一人親方に比べて正社員には基本給があり、仕事の増減に関わらず一定の給与が保証されています。
多くの会社では正社員にボーナスを渡しているため、時期によっては収入を上げられる可能性もあるでしょう。
②社会保険に加入できる
正社員として入社すると、厚生年金保険や雇用保険に加入できるため、病気やケガ、失業などへのリスク管理ができます。
保険料は会社が半分払ってくれるので、保険料の負担を抑えながら、将来もらえる金額を増やすことができるのは大きなメリットです。
保険関係の手続きはすべて会社がやってくれるので、面倒な事務作業も必要ありません。
③社会的信頼度が高い
正社員は雇用と収入が安定しているために社会的信頼度が高く、ローンやクレジットカードの審査に通りやすくなります。
契約期間に定めのない正社員であれば、長い間安定した収入を得られると判断されるためです。
・正社員のデメリット
正社員のデメリットには、主に時間の制約や対人関係などがあります。
3つのポイントに分けて解説します。
①時間の自由が少ない
週2日の休みがあったとしても、毎日早朝から夕方まで、およそ9時間〜10時間ほどの拘束時間がある正社員は、自由な時間が少ないと言えるかもしれません。
仕事の進み具合によっては残業が発生することもあるため、労働時間は長くなりがちです。
②収入に限界がある
正社員には基本給があり、安定した収入を得られますが、より多くの収入を得たいと考えた場合には限度があると言わざるを得ません。
ボーナスや資格手当などを利用すれば、ある程度収入アップできます。
③対人関係で悩みやすい
仕事の範囲が広く、上司や部下など多くの人と連携して作業を進めていく正社員は、対人関係で悩みやすいと言えます。
考え方や価値観が合わない人と一緒であれば尚更です。
■一人親方にとってのインボイス制度の影響
2023年10月から導入されたインボイス制度(適格請求書等保存方式)は、消費税の新しい仕入税額控除方式のことで、一人親方にとっては無視できないものです。
なぜなら、インボイス制度に登録していない事業者が発行した請求書は、仕入税額控除の対象とならなくなったからです。もしも現場にインボイス制度に登録している一人親方と登録していない一人親方がいた場合、元請けにとっては消費税を差し引ける仕入れ先と差し引けない仕入れ先がでてしまいます。
こうなると元請けから「インボイス制度に登録してくれないか?」と言われる可能性は十分にあり得ます。
では、登録すれば済む話ではないか?と思いますが、そう簡単ではありません。
インボイス制度に登録した場合、これまで消費税の納付を免除されてきた免税事業者であっても、課税事業者となってしまうからです。通常、消費税の課税事業者となるのは、課税売上高1,000万円を超える事業者です。収入が変わらないにも関わらず税金が増えてしまえば、事業の存続に少なからず影響してしまいます。
このことから、インボイス制度に登録するかどうかは慎重に検討する必要があると言えるのです。
インボイス制度についてはこちらの記事もご覧ください。
https://www.anzen-support.jp/blog/column/141468
■正社員として安定した働き方がしたい方は株式会社ANZENへ!
一人親方と正社員でどちらが自分に合っているか、イメージは湧きましたか?
一人親方の魅力は、自由な働き方ができることと高収入を目指せることです。一方、安定性と福利厚生を重視する場合には正社員の方が向いています。どちらにもメリット・デメリットがあり、一概に決めることはできません。
一人親方と正社員の違いについてはこちらの記事も併せてご覧ください。
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