足場のブレスとは?その役割と重要性について解説!  

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皆さん、こんにちは。長野県上田市を拠点に、県内全域で足場工事や仮設工事などを手掛けている株式会社ANZENです。


2024年4月より建設業でも働き方改革がスタートし、時間外労働の上限規制をはじめ、労働環境改善の動きが強まっています。また、同じく2024年4月より、建築物外面からの幅が1m以上確保できる箇所における本足場の使用が義務化され、1m未満でも可能な限り本足場を使用することが推奨されるようになりました。


時間外労働の上限規制によって業務効率化が課題となっている現状や、本足場の義務化における事故の減少に向けた取り組みなどからも、建設業界でも最新技術の導入に注目が集まっています。


この記事では、建設現場で安全かつ効率的に業務を進めるために必要不可欠な足場について、とくに安全性に関わる「ブレス」という部材について解説します。ブレスの種類や設置の際に気をつけるポイント、メンテナンス方法などについて解説するので、ぜひ参考にしてみてください。




■足場で言う「ブレス」とは?



そもそも「ブレス」とは、足場の筋交いのことを意味します。筋交いとは、建築物の強度を保つために骨組みや柱の間に斜めに固定する棒や板のことです。とくに金属や鉄筋性の筋交いをブレスと呼び、足場においては柱と柱の間に斜めに渡して補強する部材として重要な役割を果たします。ここではブレスの役割と重要性、歴史について解説します。



・ブレスの役割と重要性


ブレスは足場の柱の間に斜めに渡して固定するため、足場の横方向の動きを抑制するのに役立ちます。長方形に接合した布板などの部材は、ブレスがない状態では強風や地震、作業中の荷重などで揺れると平行四辺形に変形し、倒壊する恐れがあります。


しかし、ブレスを設置することで足場に加わった力が分散されて横方向の動きを抑制し、揺れや倒壊を防ぐことが可能になります。



・ブレスの歴史


筋交いという技術そのものは、日本には約200年前に伝わって普及したと考えられていました。しかし、約400年前に作られた宮城県の瑞巌寺という木造のお寺の解体修理を行った際に筋交いが設置されているのが見つかり、筋交いは日本独自の工法であることがわかりました。瑞巌寺は解体修理中に東日本大震災に見舞われたものの、筋交いがあったことで揺れに耐えられました。


また、阪神淡路大震災の際にも、筋交いが用いられた建物は被害が少なかったといわれています。学校などの公共施設において、古い建物の耐震工事をする際にも筋交い方式が採用されています。




■ブレスの種類



ブレスの主な種類は、足場の側面に配置する「桁行筋交い(大筋交い)」、足場の正面に配置する「はり間筋交い」、水平の向きに側面で配置する「水平筋交い」の3つです。筋交いの品質が足場の安全性を左右することから、日本工業規格によって筋交いの種類、区別、品質が厳格に定められています。




■ブレスの設置方法


ブレスを設置する際は、足場の外側に1箇所以上設置します。支柱の最下部のくさび受けから支柱の最上部のくさび受けまで、地面に対して45度の傾きで、すべての階層、すべてのスパンにわたって設置していきます。その際、構面ごとに向きを変えて設置することが重要です。


「桁行筋交い(大筋交い)」「はり間筋交い」「水平筋交い」の3種類をそれぞれ対応した面に設置し、一側足場を除いてX種のくさび式足場用先行手すりも設置します。




■ブレスの設置で気を付けるべきポイントとは?



足場の揺れや倒壊を防ぐための効果を十分に発揮させるためには、ブレスが斜めになるよう、きれいなハの字で設置することが重要です。工程ごとに、ブレスがきちんと斜めに設置されているかを十分に確認しましょう。


また、ブレスはすべての階層、すべてのスパンにわたって設置することが重要です。足場を外側から見た際に、すべての列と行に1本以上のブレスが設置されていなければなりません。単管足場では8層8スパン以下ごと、くさび式足場の場合は6層6スパン以下ごとに設置が必要です。


また、桁行筋交いについては安衛則第570条に「筋交いで補強すること」と記載されており、高さについて言及されていないことから、高さに関係なく設置が必要となります。


近年は安全性や作業効率の向上を目的として、足場の設置においてもさまざまな最新技術が導入されています。センサーを使用したリアルタイムでの安全管理や3Dモデリング技術などを適切に取り入れることで、より正確で安全な作業が実現します。




■ブレスもメンテナンスが必要!



ブレスは長年使用すると金属疲労や腐食などが進むことがあるため、定期的な点検を実施し、必要に応じて交換する必要があります。ここではブレスの劣化のサインとメンテナンス方法についてそれぞれ解説します。



・ブレスの劣化のサイン


ブレスの劣化のサインには、「腐食や錆び」「曲がりや変形」「緊結部の緩み」などがあります。ブレスが錆びていると強度が低下する恐れがあるため、腐食や錆びが見られる場合はすぐに清掃し、防錆処理または交換を行いましょう。


ブレスに曲がりや変形が見られる場合は、正しい角度で設置できず、足場全体の安定性に影響を与えてしまいます。すぐに交換を行いましょう。また、くさびやボルトなどの緊結部に緩みが生じている場合は、揺れや倒壊の原因になります。必要に応じて締め直し、十分に締まらない場合は交換を行いましょう。



・メンテナンス方法


日常的なメンテナンスとしては、使用後に泥や汚れなどを落とし、水分を完全に拭き取ることが重要です。雨天後はとくに湿気による錆びを防ぐためにもすぐに乾燥させましょう。


作業開始前には十分に点検を行い、歪みや隙間がないか、緊結部に緩みがないかなどを十分に確認し、異常があればすぐに補修や部材の交換を行いましょう。また、作業の終わりにはその日の作業中に生じた可能性のある損傷を確認し、必要に応じて補修などの対応を行います。


使用後のブレスは、劣化を防ぐためにも直射日光や湿気を避けた場所で保管することが重要です。また、ブレス同士が擦れ合わないように、クッション材を挟むようにしましょう。




株式会社ANZENは、長野県上田市を拠点に、県内全域で足場工事や仮設工事などを手掛けている会社で、現在、一緒に働いてくれる方を募集しております。


弊社は創業以来、安全第一の理念のもと、高品質な足場工事を提供してきました。2024年4月の労働安全衛生法改正により、高さ1m以上の高所作業においても本足場の使用が義務化されています。株式会社ANZENでは、この改正を機に、さらなる安全性の向上に向けた取り組みを強化しています。


また、株式会社ANZENでは社員1人1人が働きやすいと感じてくれるような環境づくりに力を入れ、会社を作っているのが特徴です。弊社では安全意識の向上を図るためにも、社員一人ひとりの声を大切にしています。現場で感じた課題や改善点を積極的に意見として取り入れることで、より安全で働きやすい職場づくりに努めています。


弊社は年間休日105日で、希望休制度を導入していることから、ワークライフバランスを重視したい方にとっても働きやすい環境です。また、仮設工事を行ううえで必要な免許や資格の取得においても、費用は全額会社負担ですので、働きながらのスキルアップも可能です。


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